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レジ袋有料化で万引が増える? スーパー警備員ら警戒

 レジ袋有料化で万引が増えるかもしれない?-。海洋汚染を防ぐため、7月から小売店はプラスチック製買い物袋の提供は有料が義務付けられたが、スーパーなどの警備担当者は、普及するエコバッグが商品を盗む際に使われないかと懸念している。万引の防止を図る団体のアンケートによると、エコバッグを使う万引は増える傾向といい、現場の警備員らは警戒を強めている。

 警備員は、エコバッグを使った万引の複数の手口に目を光らせている。例えば、カートに載せた買い物かごの手前に置いたバッグの口を少し開け、商品を隠し入れる。また、レジを通らずに直接荷物台に行き、代金を支払ったようなふりをしてバッグに商品を移す手口もある。

 関西のスーパー約30店舗に警備員を派遣する警備会社は昨年6月から1年間、担当した店舗で起きた万引に関するデータを集計。それによると、商品を隠すために使われた持ち物は、「かばんなど」が最多で39%を占め、「エコバッグ」が19%、「レジ袋など」が18%だった。同社は「レジ袋有料化で、エコバッグや再利用で持参したレジ袋を使った万引が増えないか」と警戒する。

 環境意識の高まりからエコバッグが普及し始めた2010年、NPO法人「全国万引犯罪防止機構」は、全国のスーパーやコンビニ計319社に万引の実態を探るアンケートを実施。全社の約4割に当たる117社が「バッグを使った万引が増えてきている」と答えた。

 また、全国で初めて08年4月に、独自の取り組みとして県内全域でレジ袋の有料化に踏み切った富山県では、「万引が増える」と事業者らから心配する声が上がった。そのため、県などは対策として、エコバッグは買い物かごの底にたたんでおく、レジを通ってからバッグを開く-といったマナーを定め、ポスターを店舗に張ってもらうキャンペーンを展開した。

 スーパーやコンビニの万引対策は年々進み、防犯カメラの設置や死角をつくらない店舗づくりは当たり前になった。警備会社の担当者は「新型コロナウイルスの影響で困窮する人の万引が増えているが、万引は許されない犯罪。気を引き締めて臨みたい」としている。

 そもそも持ち手のついたプラスチック製レジ袋が全国のスーパーなどで普及した背景には、万引を防ぐ狙いもあったとされる。

 環境などの評論でテレビ番組などに出演する中部大の特任教授によると、かつて買い物客は、青果店や精肉店などの専門店で対面販売の形で品物を購入。布製などの透明ではない買い物袋を持参していた。

 ところが、1960年代に全国各地に広がった大型スーパーでは、不透明な買い物袋を使った万引が絶えなかった。そこで店舗側はレジ袋に注目。半透明で中身が見える上、安価で客が袋を持参する必要がなくなるため、無料で配布する手法が定着したという。

 つまり、プラごみを減らすためにレジ袋を削減し、エコバッグの利用が拡大すると、高度成長期に小売店が抱えた防犯上の課題が再来するのかもしれない。

2020年8月

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